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Japan Actors Union

生成系AI技術の活用に関する提言

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生成系AI技術の活用に関する提言

私たち日本俳優連合は、俳優・声優の権利を守るため、60年前から活動してまいりました。今般、Artificial Inteligence、いわゆるAI技術、機械学習という新たな技術が開発され、世界中で議論を起こしていることは皆様ご存じの通りです。私たち実演家としても、新しい技術の進化による人間社会の発展は望ましいことであると考えます。

ただその一方で、この新しい技術が私たち実演家の、表現の模倣・盗用を安易に促し、職域を侵害する恐れがあるのではと危惧しております。つきまして、私たち日本俳優連合として、以下5つの提言を行い、業界内でのガイドライン作り、国としての法律制定、ひいては国際的な枠組みでのルール構築を切に望みます。

【生成系AI技術の活用に関する提言】

  • 国内外での意見交換を活発に行うとともに、EUによるAIACTの考え方に大いに賛同し、これを参考にしたガイドラインの策定を行う

  • 学習素材は著作者が許可を与えたもののみを使用可能として、著作権法新30条4の運用の見直しを諮る

  • 機械学習の結果によるアウトプットのイラスト、写真、映像、音声など全てのものにAIによる生成物であることを必ず明示する

  • AIの「表現」分野への進出については、一定のルールを設ける。具体的には、人間の代替としてのAIによる表現をしてはならないと規定する
    ※ただし情報の伝達は可、福祉的な利用はこの限りではない

  • 「声の肖像権」の設立を目指す。これまでは声と表現が切り離されて使われることが想定されていなかったため、外見だけではない「声の肖像権」の新設を急ぐ

闇雲にAI技術を含めた新たな技術の規制を行うことを目指しているわけではありません。しかし、新しい技術の無秩序な乱用は、結果的に人間社会でのAIとの共存を不可能なものにしていくと考えています。芸能芸術分野を含むあらゆる分野でAIと人間が共存するために、今は一度立ち止まって、使い方を考え、ガイドラインを制定する必要があると考えます。

あくまで主体は人間であり、その補助的な役割をAIが行うという主旨のもと、業界内に留まらず多くの皆様の議論が活発となり、新たなガイドライン、法律の制定を強く望みます。