
[日本俳優連合 事務局より]
日本の声優の皆さまへ
目次
〜今後、類似したケースに遭わないために理解・確認を〜
近年、生成AIおよび音声合成技術の急速な進展に伴い、声優・ナレーター等の音声データが本人の関与なく利用される可能性が指摘されています。
音声は演技者にとって極めて重要な人格的・経済的資産です。
その取扱いには、これまで以上に慎重な確認と理解が求められています。
本注意は、すべての声優・所属事務所・制作会社の皆様が、将来的なトラブルを未然に防ぎ、安全で健全な制作環境を維持するためにお知らせするものです。
【注意喚起】
■ 契約時の説明を必ず求めてください
制作会社との契約に際しては、声優本人および所属事務所は、以下の事項について十分かつ明確な説明を求めてください。
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AI学習への使用の有無
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二次利用・再利用の可能性
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利用条件および利用期間
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一次報酬の内容
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二次報酬の有無と算定根拠
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データの保存方法および管理体制
特に、所属事務所のマネージャーの皆様には細心の注意をお願いいたします。
不明点を残したまま契約を締結することは、後の重大なリスクにつながる可能性があります。一度AIに学習をさせた音声データは市場に出てしまえば、完全な削除は不可能です。
■ 日俳連AIガイドラインのご活用をお願いします
日俳連では、声優・事務所・制作会社の皆様に向けてAIガイドラインおよび附則を策定いたしました。
専門的な法律用語を極力避け、実務上理解しやすい表現で作成しております。
皆様の「安全第一」の判断を支える一助となれば幸いです。
※本ガイドラインは現在、関係監督省庁、業界団体、AI事業者にも提出しております。
基本原則に変更はありませんが、附則の追加や表現の調整を行う場合があります。
👉 AIガイドラインはこちら
◎実演家の声と権利を守る AI・デジタルレプリカ・生成音声利用ガイドライン
【業界全体での心がけのお願い】
優越的地位の濫用を生じさせないこと、誤解を招く契約を行わないことは、
関係者一人ひとりの気づきと行動によって支えられます。
制作会社の皆様におかれましては、説明を省略することなく、
相手の理解が得られるまで丁寧にご説明いただくようお願いいたします。
日俳連は今後も、組合員に対する教育と啓発を強化してまいります。
【意識の欠如が招くリスク】
「忙しい」「時間がない」「後にしてほしい」といった姿勢は、
公正な業界環境を築くための理由にはなりません。
こうした意識の積み重ねは、やがて業界全体の信頼を損ない、
持続可能な制作基盤を揺るがす要因となり得ます。
公平性を守ることは、結果として自らの職業と市場を守ることにつながります。
【安全第一の徹底を】
すべての業界に共通する原則ですが、改めて次の点をご確認ください。
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自らは安全にサービスを提供できているか
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相手は安全の管理体制を備えているか
ほんの少しの意識が、大きなリスクの回避につながります。
【丁寧さは最大のリスク管理です】
丁寧な確認を怠れば、リスクを拡大させながら収益や業務を増やすことになりかねません。
これは短期的には効率的に見えても、長期的には極めて危険な判断です。
ビジネスは相手があって初めて成立します。
その配慮を欠いた取引は、巡り巡って必ず自らに影響を及ぼします。
最後に
業界関係者の皆様、まずはできることから意識的に取り組んでみませんか。
一人ひとりの行動が、安心して働ける環境と、次世代へ引き継ぐべき健全な業界を形づくります。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
日俳連 事務局
お問い合わせ・ご相談窓口
AI利用、デジタルレプリカ、契約条項などに関するご相談や、
不審なAI利用に関する情報提供は、下記よりお寄せください。
* 日本俳優連合(Japan Actors Union)事務局 担当 legal[a]nippairen.com ([a]を@に差し替えて下さい)
* 受付対象:俳優、声優、ナレーター、ダンサー、パフォーマー、その他実演に関わる方
* ご相談内容:
- 無断利用・海賊版・不審なサービスの情報(現在膨大な数のご報告を戴いており、順次確認の作業を行っております。)
- FIA決議第7号の内容に関するお問い合わせ など
- AI・デジタル関連の契約・同意書
実演家であるあなたの声を、ぜひお聞かせください。
最後に
AI技術は、使い方次第で、実演家にとって 新しい表現や新しい仕事のチャンスを生み出す可能性も持っています。
しかし、その前提として、実演家の権利と人格を守るルールづくりが欠かせません。
日本で活動するすべての実演家のみなさんと共に、声を上げ、ルールをつくり、未来を守っていきます。

